機器点検・総合点検の費用感について

消防法では非常電源(自家発電設備)を含めた消防用設備について、「機器点検」を6ヶ月に1回、「総合点検」を1年に1回行うことを義務化しています。
そこで、一般的には点検に幾らくらいの費用がかかっているのか確認してみましょう。

ビルメンテナンス会社はその他諸々を含めた年間契約なので資料を利用できませんが、点検施工会社では「機器点検」と「総合点検」別に事例を公表している企業があります。

そのうち代表的な企業3社を選んで一覧にした表を、後に掲載しましたので参照ください。

スペースの都合で各々5事例になりましたが、横列は決して同条件ではありません。
すべて、消費税抜きですから実際の支払いはプラス消費税が加算されますが、それでも予想以上にお手軽な価格といえそうです。
もっとも、この3社はどれも点検施工会社であり、これらの会社を下請けとして使うビルメンテナンス会社と契約している場合は、30%~150%上乗せされるという関係者の声もあります。

以下はQ&Aサイトに掲載された「点検屋さん」の声です。
「消防点検を実際やっているものです。 点検費の差はおもに、設備の種類と規模と数量で決まります。もちろん設備の設置状態とか環境にも大きく左右されます。細かいことですが、たとえば火災感知器は、定温式熱感知器が多いと時間が倍以上かかったりします。他にも時間や土日や夜間等の指定とか、色々あります。(中略)総合点検と機器点検で価格が大きく違うのは、何か得別な設備がついている場合でしょう。

業者間での見積の差は、ビル管理会社なのか消防点検業者なのか?が大きいです。きちんと登録してても実際丸投げ業者もいますから。(中略)どうしても欲しい仕事なら、安く受けることもあります。ただ、ビル管理会社がかんでいるとビル管理会社が倍以上乗せる場合もありますので、その辺りはなんとも言えません。(中略)もっとも、安いという面だけを見るとあとでひどい目にあいます。(後略)」

表をつぶさに見ますと、あきらかに自家発電設備が含まれているのに、負荷点検をする「総合点検」時の費用が「機器点検」時とわずかしか変わらないという実態が見られます。

さらには、A社の事例2のように面積1,000㎡以上の病院であるにもかかわらず、対象設備に非常電源が含まれていないという不思議なものもあります。

非常電源の中でも自家発電設備を設置している建物は、その多くが一定以上の規模をもち、負荷容量の大きな消防用設備をそなえた建物になります。

そのような建物の場合はほとんど、自家発電設備を含む消防用設備の維持管理を、他の設備の維持管理に含めて専属のビルメンテナンス会社に委託しているようです。

ビルメンテナンス会社では一般的に、自前で行う範囲と下請け施工会社への外注で行う範囲を組み合わせて、維持管理を実施しています。

自家発電設備を含む消防用設備に対しては、電気事業法に則り日常点検や月次定期点検を行い、消防法に則り6ヶ月に1回の「機器点検」を行っています。

1年に1回の消防法に則った「総合点検」の際に、電気事業法の年次定期点検や建築基準法の外観検査・性能検査をはじめとする他のすべての点検を兼ねた、入念な点検を実施しています。

大きな規模の建物なら「総合点検」では負荷運転以外にも、「機器点検」にはない実地の運転点検が数多くあり、厄介な点検ですから追加費用が発生して当然といえます。

今回の点検施工会社の費用事例からは、自家発電設備が含まれていても「機器点検」と「総合点検」とで、大きな格差がないことが確認できました。

このことは、定格出力の30%以上の負荷点検を全館停電して実負荷で行っているから安価なのか、負荷点検を行っていないから反映されないのかは不明です。

それでも、点検結果報告義務の実施率が50%を下回り、定格出力の30%以上の負荷運転点検の実施率が10%レベルと囁かれるのと、無縁ではなさそうだと言わざるを得ません。